独立開業・ベンチャー起業・スタートアップの違いは?

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昔から言われている独立開業やベンチャー起業に加えて、近年ではスタートアップなんて言葉も聞くようになりました。今回はそれぞれの特徴や違いについて、私見も加えながら整理してみたいと思います。



独立開業

独立開業は昔から言われている通りです。現在では、弁護士や会計士・税理士などの士業が独立する時や、料理人や美容師などが自分の店を持つ時に使われているようなイメージです。

特徴としては、資金調達が自己資金(本人あるいは家族の貯金)または銀行・政策金融公庫などの創業支援系の融資制度を使った借り入れが多いかと思います。

経営は本人や奥さんとの二人三脚で、成長意欲は程々に、株主や銀行からのプレッシャーもないので、マイペースに事業活動ができます。

ベンチャー起業

ベンチャー起業は、1990年代頃から盛んに言われるようになりました。「ベンチャー起業(企業)」という言葉自体は和製英語のようなもので、内容としてはアメリカのいわゆるITベンチャーを意識したものです。

ベンチャー(冒険)という言葉が示す通り、これまでに無い斬新なアイディアや新技術に対して、エンジェルと呼ばれる個人投資家やVC(ベンチャーキャピタル)が出資を行い、社長を中心とした経営陣によって短期的に会社を成長させ、上場や合併などのイグジット(投資家にとっての出口)機会を経ながら成長を続けるというものです。

しかし近年では、他人の資本参加を受け入れない(つまり銀行等からの関節金融中心)であってもベンチャーと呼んだり、地方の同族企業の二代目経営者の新たな挑戦などにおいても「◯◯ベンチャー」と言ったりすることがあります。

つまり、必ずしも最初から投資家のイグジットを意識して成長戦略を画いた経営というわけではなく、ベンチャー(冒険)という言葉の「成長意欲」や「挑戦意識」が高いという点で使われる言葉になっています。

スタートアップ

スタートアップは2000年代後半頃から良く言われるようになりました。ベンチャーという言葉が「成長意欲」という点だけで使われるようになってしまった今、いわゆるアメリカのシリコンバレー型のITベンチャーに近い創業スタイルで使われているのがこの言葉だと思います。

スタートアップではやはりVCやエンジェルからの資金調達によって、最初からIPO(上場)や事業売却を視野に入れて経営を行うわけですが、専門性を持った経営陣チームによって経営がなされるという点も特徴かと思います。

というのも、短期的に会社を成長させようとすると、それは大変なことです。VCやエンジェルから資金を調達して、オフィスを拡張して人を雇い、目標を決めて人を動かし、外部との提携関係を築いたり、時には大掛かりな販促キャンペーンを展開したり、それら進捗を投資家に報告して新たな資金調達を検討したりと、とにかく短期間にやることが膨大となります。

社長自らパソコンに向かって開発作業、というわけにはいかなくなり、社長はCEOとして「経営」に専念することになります。さらに全体の事業推進はCOO、開発陣を束ねるのはCTO、投資家への報告や新たな新調達はCFOといった具合により、専門性を持って役割分担を明確にした経営チームで動いていくことになります。

スタートアップの多くは、短期的に成長が期待されるネット企業です。たまに「スタートアップ業界」という言葉で振興ネット企業が呼ばれる事がありますが、それは間違いで、例えばロボット産業などのように今後大きく成長が見込まれる事業でもスタートアップはあると思いますし「最初からIPOやM&Aなどの出口戦略を意識して投資家から資金を調達して短期成長を目指す」という点が、スタートアップなのだと思います。

スタートアップはたまに「上場ゴール」とも言われますが、それはあながち間違っていません。投資家のリスクマネーを受け入れている以上、投資家のイグジットを意識して経営するのは経営者として当たり前だからです。もちろん、上場後の成長戦略があってこその上場でもあります。

まとめ

アメリカのシリコンバレーのスタートアップが投資家や経営者だけでなく、大学や研究所と一体となっているという点では、まだ日本のスタートアップは少し違うのかもしれません。しかし少なくとも1990年代頃に言われ始めた日本の「ベンチャー起業」より、日本の「スタートアップ」は「スタートアップ」らしくなってきたのではないでしょうか?

ベンチャー起業においては和製英語ということもあり、「成長意欲」や「挑戦」を基軸に日本独自に進化してきました。現在では独立開業とスタートアップの中間的な位置にいると思います。

これらをまとめると、下記のようになると思います。

独立開業 ベンチャー起業 スタートアップ
経営陣 本人や奥さん 社長中心 経営チーム
資金調達方法 本人または間接金融中心(銀行や政策金融公庫) 本人・間接金融・直接金融など様々 本人または直接金融中心(VCやエンジェル)
ゴール
世代交代
事業継承 事業継承
IPO(株式公開)
M&A(合併・買収)
IPO(株式公開)
M&A(合併・買収)
成長意欲 中〜高い 高い かなり高い
成長スピード 早い かなり早い
多い業種 士業・飲食業など 様々 ネット企業など
言われ始めたのは 昔から 1990年代頃から 2000年代後半から