市場トレンドの成果と経営努力の勘違い

日本へやってくる外国人旅行者が増加しているというニュースをよく聞きます。私のいる京都でも元々観光が重要な産業の一つであり、うまく波に乗った業者は近年まれに見る忙しさを経験しているとのことです。

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特に宿泊業。もともと京都では紅葉のトップシーズンは予約が集中して「黙っていても売れる」状態だったのですが、反対に6月などのシーズンオフには単価の安い修学旅行の予約を取らなければ部屋が埋まらないなど、売り手と買い手の優位性が逆転することもありました。それが現在ではシーズンオフがなくなりつつあるとの事です。

この業界では長く不況が続き各社で様々な経営努力をしてきたと思います。もちろん、将来的に外国人旅行者の増加を見据えてしっかり準備をしてきた所もありますが、どちらかというと現在の業界の好調要因は、各人の経営努力というより市場トレンドから湧いて出てきたものとも言えます。



波に乗って勘違いしない

ビジネスにおいては、いかに市場トレンドに乗ることが大事だと感じさせられます。市場トレンドに乗ることで、経営努力だけでは成し遂げられなかった大きな成果を生むことができます。ネットバブルが良い例です。しかし、いざ市場トレンドに乗ると経営者は足元が見えなくなるものです。好調の要因は「自分の努力によってもたらされたも」と勘違いしてしまいます。

すると反対に市場トレンドが失速した時「こんなはずではない」「頑張ればなんとかなる」と思い、撤退が遅れます。周りの人間や自分に「努力が足りない」と当たってしまうこともあります。そうならないためにも、現在の成功要因は「たまたまだった」というくらい割りきった考え方も必要です。

経営努力が無駄なのではありません。むしろ必要です。小さな波に乗りながら、大きな波に乗る準備をする。あるいは波が起こる仕掛けをする。大きな波がきた時は惜しみなく経営資源を投下できる体力を持つ。波が終わったらしっかり引く。波がこないうちは我慢してしっかり蓄える。こういった大局観バランス感覚を持った経営努力が必要なのだと思います。